「昔、誰かにしてもらいたかったことを、誰かにしてあげたいと思う」
尊敬する先生が、以前お話されていた言葉です。
子供の身体に、誰か真剣に向き合う大人が必要なんだと思います。
こんにちは。
大阪市城東区、鴫野駅前の城東整骨院、院長の山岡です。
高校球児の右足の痛みで、4ヶ月以上痛みが続いていた症例です。
高校生 野球部 ピッチャー
春の練習でダッシュの切り返しをしていると、だんだん右足の外側が痛くなり、踏ん張るのもピッチングでも痛みが出るようになりました。
病院に行くと、
「小指の疲労骨折、いわゆるJones(ジョーンズ)骨折ですね。安静にしましょう」
と言われてしまいました。
無理に使うとなかなか治らないということで、しばらく安静にしていたそうです。
安静期間が終了し、レントゲンを撮っても異常がなくなったので、練習再開。
やっと野球ができると思った矢先に、また同じところが痛くなってきました。
それも強く痛みます。
その状態でレントゲンを撮っても異常がなく、夏の大会が迫っていたため、整骨院に通ってなんとか痛みをごまかしながら練習していたそうです。
整骨院で足の裏のマッサージや電気治療をしてもらうと、その時は楽になるのですが練習を再開するとやっぱり痛みが出てしまいます。
夏の大会ではピッチャーとして登板。
痛みをこらえて万全ではない状態で、思うような投球ができません。
無理をして投げ続けていると、腰にも痛みが出てきました。
夏の大会後に、再びレントゲンを撮るも異常なし。安静とリハビリを指導されました。
投げる、練習をすると痛む。
練習をしばらく休むと楽になる。
また練習をするとすぐに痛む。
こういったサイクルを何度も繰り返し、
「これ、ほんまに治るんか?」
「どうしたらいいねん!」
とかなりフラストレーションが溜まってきているようでした。
通院していた整骨院では、「足の形が変わっている」と言われていたようです。
そんな時に、シニア時代の同級生が当院に通院して改善したことを聞き、なんとかしたいとの思いで来院されました。
Jones骨折(第五中足骨疲労骨折)はこの部位です。
疲労骨折の類は、なかなか痛みが引かず完治まで時間がかかると一般的には言われています。
来院してもらった時、この部分に片足立ちや踏ん張った際の痛みがあるものの、他に気になるところがたくさんありました。
痛くない左足
痛い右足
痛い方の右足で真っ直ぐ立てません。
次に片足スクワットを見ます。
左足
右足
右がグラグラで全然話になりません。
膝も大きく内側に入る、Knee-in,Toe-out(ニーイントゥアウト)の状態です。
普通これくらい崩れていると、足首に強い歪みが出ている場合がほとんどです。
多いのは回内足、オーバープロネーションです。
後ろから見るとこんな感じの足です。
こういった歪みがあると、斜めの地面に立っているのと同じですから、片足で立つと斜めになってしまいます。
こんな感じ。
足首の歪みを確認。
意外に真っ直ぐ。
回内足と呼べるレベルではありません。
ではなぜ右足だけ片足立ちやスクワットが出来ないんでしょうか?
スパイクを見せてもらって、中敷きを出して見ました。
明らかに、左右での減り方が違っています。
極端に右足の捻り動作が出ているのがわかります。
結論を書くとこの子の場合は右の股関節の動きに問題を抱えていました。
慣れている治療家さんなら写真を見てわかったかも知れませんね。
じゃあその股関節に問題を抱えた原因は、またその原因は、と追いかけて行くと、その人の身体のストーリーが見えてきます。
クリアにストーリーが見えてきて、状態や症状と一致し、自分の持っているスキルをフィットさせることが出来た時に、最大限の治療効果が現れる様に思います。
足は、片方で20個以上の骨が集まって、細かい動きを作っています。
歩く、走るといった動きの際には、あおり運動という動きで衝撃を吸収しつつ、前進するエネルギーを効率よく伝えていきます。
このあおり運動がきれいに出ていると、痛みなく正常に足が機能します。
この高校生の場合は、股関節の異常で足のあおり運動が大きくなり過ぎてしまったんですね。
そのせいで、走るたびに足首から第五中足骨の部分で雑巾絞りみたいに負担がかかり過ぎて痛みが出ているようでした。
あおりを制御するように一本テーピングをして検査すると、それだけで痛みがなくなって安定して動けるようになって、本人も付き添いのお母さんも驚いていました。
その後、股関節から足首にかけての動きを改善するために、PNF(神経筋無痛療法)を行い、テーピングが無くても痛みが無い状態に。
その後、練習やピッチング時の身体の使い方の注意点を指導して終了しました。
初回の治療で、日常生活の痛みはほぼ消失。
2、3回と治療を重ねることでどんどん状態が良くなっていき、
「全力で投げても痛くなりません!」
と嬉しそうに話してくれました。
先日来た時の状態。
うん、綺麗に片足立ちもスクワットも出来る様になりましたね。
これなら、少々無理しても痛みが出ることはないでしょう。
出来なかったことが出来るようになる。
ず〜っと痛みで思っ切り出来なかった野球が出来る。
とても、良い顔でした。
治療をしていて嬉しいのが、この顔を見れた瞬間ですね。
秋の大会にもバッチリ間に合いそうなので、今は休んでいて落ちているコンディションを上げるための治療をメインに行なっています。
しっかり仕上げて、初戦の強豪校に全力投球で立ち向かってもらいたいですね。
痛いところに何をするか
ではなく
なぜそこに痛みが出てしまったのか
これが大切だといつも思っています。
だからいつも痛いところだけじゃ無く、問診を取りながら身体の動きを細かく見るようにしています。
痛みや不調がある時は、どこかにエラーがあることがほとんどです。
同じようなJones骨折、アキレス腱炎、足底腱膜炎、シンスプリントでも痛みの原因はそれぞれです。
回内足の例を初め、
膝で捻れている場合もあれば、
上半身の動きが出ていない場合もあるし、
シューズに問題があることもあったし、
シューズの履き方、セッティングで変わることもあります。
(近藤先生、画像をお借りしました。)
「痛い間は安静にしましょう」
「骨に異常が無いからしばらく様子を見ましょう」
そう言ってしまうのは簡単ですが、本気で野球に取り組んでいる、本気で競技に取り組んでいる子供達には、誰か真剣に向き合って上げる大人が必要なんだと思います。
もう少し。
もう少しだけ突っ込んで話を聞いたり、動きを確認するだけで見えてくるものが変わるはずです。
そうやってきちんと原因を突き止めて、正しく治療すれば改善するものがたくさんあるんです。
身体はトータルバランスで動きます。
一箇所の異常はその部分だけでなく周りに影響しますし、逆に全身の影響が一箇所に痛みを作ったりします。
そこを見極めてきちんと治療をするのが私の仕事だと思うし、本気で治したいと思い来院した患者さんに出来ることなんだと思います。
高校、中学の野球している期間は意外と短いです。
その中で怪我が長引いて何件も病院や整骨院にかかっていると、あっという間に現役生活が終わってしまいます。
そうやって完全燃焼出来ずに引退して行った選手も見てきました。
限られた時間の中で、一生懸命に打ち込む選手の役に立てると嬉しく思います。
「本気で治したい」という方は、一度ご相談ください。
※足の症例を多く出しているせいか、時々「足の痛みの専門院ですか?」と聞かれることがありますが。特にそういう訳ではありません。肩でも、肘でも、腰でも身体の動きを見てきちんと治療させてもらっていますのでご安心ください。
おまけ
痛みは取れましたが、変化球の調子がイマイチとのことでしたので、少しだけフォームのチェック。
思うところがあったので、少しだけ意識の持ち方、動きの指導。
2〜3分指導した後がこちら。
本人も、
「お〜。全然違う!」
と違いを実感してくれていました。
大会が近いので、大きな修正はリスクが高いですが、少しの意識を変えるだけでかなり良くなりました。
これで、秋の大会では強豪校相手に良いピッチングをしてもらえるでしょう^ ^
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