こんにちは。
大阪市城東区、鴫野駅前の城東整骨院、院長の山岡です。
成長期のスポーツをやっている子供に多い「オスグッド」
正式名称はオスグッド・シュラッター氏病です。
子供が膝が痛いというので見ると、お皿の下の骨が出っ張っていて押さえると痛い。
ジャンプやランニングで痛みが出る。
正座ができない。
病院に行くと「成長期ですから、骨の成長が止まると治ります。それまではあまり無理しないでください」と言われることが多く、痛みが取れるまでに長い期間かかってしまうことが多い疾患です。
オスグッドは原因をきちんと理解して、適切に治療をすれば短期間で痛みなく運動できるようになります。
しかし、原因を放置したままで対症療法や単なる安静で長引かせてしまうと、最悪の場合手術に至るケースもあります。
2012年に広島の岩本貴裕外野手がオスグッドで手術を受けていました。おそらく、かなり悪化した状態だったのでしょう。
手術自体が良い、悪いという判断はできません。
大切なのは、オスグッドに対する正しい知識と、状態に合わせた治療プランです。
こちらの記事では、オスグッドの本当の原因について、手術はどんなことをするのか?、手術を受ける前にできることは?という点についてまとめましたので、どうか最後までお読みになってください。
そもそもオスグッドとは?
整形外科的にはオスグッドとは膝のお皿の下の骨、専門的に言うと脛骨粗面の部分が出っ張って来て痛みを伴う「成長痛」と言われます。専門的には骨端症という言葉が使われます
この部分です。
小・中学生で骨の成長が大きい時期に多発し、段々と膝下の部分に「骨の出っ張り」が出てきたり、膝を曲げると痛みが出たり、ひどい場合は歩くことさえも辛くなってしまう場合があります。
成長痛と言われて痛みが引くまで安静の指示
↓
安静にしていたら少し痛みが緩和
↓
再度練習開始すると痛みが出現
↓
痛みが引くまで練習を休む
この繰り返しで、いつまでも治らずオスグッドに悩まされている子供たちが後を絶ちません。
これは、安静によって患部の炎症が治まっても、本当の原因が放置されてしまったままだからです。
他にも、
・患部にアイシング
・テーピング
・湿布
・整形外科で痛み止め
・整骨院で電気治療
・インソール
・膝を曲げるストレッチ
・サポーター
などを長期間受けても改善しなかったという例はとても多くあります。
これは、本当の原因を治療せずに対症療法を行っているだけだからです。
ストレッチなどの中には、悪化させたり、治るのを遅くしてしまう例があるということを知っておくべきでしょう。
本当の原因を改善しない限り、根本的にオスグッドが改善することはありません。
オスグッドの本当の原因とは?
一般的には「成長痛」と言われ、身体の成長に伴う症状なので、成長が止まるまで待つしかないと言われることがあります。
しかし、それでは成長期の子供全員がオスグッドにならなければおかしいはずです。
同じ様な環境、同じスポーツをやっていてもオスグッドになる、ならないの差はどこから来るのでしょうか?
大きな原因として3つが挙げられます。
長くなりますが、オスグッドの原因をきちんと認識することが本当の治療につながります。
頑張って読み進めてみてください。
①筋肉の硬さ(機能低下)が原因
オスグッドで痛みが出るのは脛骨粗面と言って、太ももの筋肉「大腿四頭筋」が付着する部分です。
この大腿四頭筋のけん引力によって、まだ柔らかい脛骨粗面の軟骨がはがされて剥離骨折の様な状態になってしまいます。
そのはがれた部分がオスグットのボコッとした触ると痛む部分になります。
これがオスグッドの原因です。
ですから、筋肉の硬さがあると症状が出やすくなるので、大腿四頭筋を含めた周りの筋肉を柔らかくするストレッチを教えてもらったことがある方も多いでしょう。
筋肉の硬さを取ってあげることは必要ですが、単純なストレッチは余計にけん引力をかけてしまい、かえってオスグッドを悪化させてしまいます。
筋肉の硬さは、筋膜のつながり、筋肉の機能(神経伝達)が大きく関わります。
専門的になってしまうので細かくは書きませんが、これを無視して単純なストレッチばかり行っていては、いつまでもオスグッドは治りません。
②姿勢を含めた身体のバランスが原因
オスグッドに関係する太もも前の筋肉は、姿勢によって負担のかかり方が変わります。
真っ直ぐ立っている状態
骨盤が前傾している状態
骨盤が後傾している状態
オスグッドになる子供の多くは、骨盤が後傾して太もも前の筋肉がパンパンになっている場合が多いのです。
そうするとオスグッドの部分にけん引力が加わり、とても負担が強くなります。
普段の姿勢から背中が丸まらない様に気を付けることが大切で、足だけでなく全身のバランスを整えるエクササイズが必要になって来るでしょう。
ご飯を食べる姿勢、学校で授業を受ける姿勢など、背中が丸まってだらしない格好で行っていませんか?
普段の生活の姿勢は必ずスポーツの場面で出て来ます。
スポーツを上達するためにも、姿勢は大切になってきます。
頭のてっぺんから真上に引き上げられているようなイメージを持つと、自然に真っ直ぐな姿勢が取れるでしょう。
③食生活
意外に思われるかも知れませんが、成長期の食生活でオスグッドになりやすい、なりにくいが変わります。
成長期は、その名の通り身体とても発達する時期で、骨の成長、筋肉の成長が急速に進みます。
この時に欠かせないのが、タンパク質の一種である「コラーゲン」です。
コラーゲンはタンパク質から合成されるので、お肉や大豆、魚の量が不足してタンパク質不足になっているとオスグッドになりやすいという研究データもあります。
普段からよく食事でタンパク質を摂っているつもりでも、身体の成長に追い付いていない場合もありますので、市販のプロテインを活用するのも良いでしょう。
また、オスグッドになりやすい子供はお菓子やジュースを好む傾向にあります。
糖が多い食べ物ですね。白ご飯ばかり食べていても同じです。
それによって必要なタンパク質が取れていなかったり、「糖化」と言うタンパク質の劣化現象が起こってしまい、骨や筋肉の腱が弱くなり痛めやすくなってしまいます。
食生活から改善する事が出来れば、オスグッドになる子供はグンと減ります。
今なっている子供、これから成長期になる子供のためにきちんとした食生活を心がけてあげましょう。
オスグッドの手術って、どんなことをするの?
基本的に保存療法で完治しますが、骨の変形が強く、痛みが取れない場合などは手術を受けることもあります。
手術の方法は主に、
①骨の出っ張りを削る
②剥離した骨片を繋げる
この2つになります。
要は出っ張って炎症が起こるなら削って、骨が引っ張られて剥がれてたらくっつけようという手術になります。
だいたい手術費用は20万円ほど。
競技復帰までの期間は3ヶ月程度が目安になります。
オスグッドで手術を受けることは稀ですが、長引く痛みがある時は整形外科でも勧められることがあるようです。
・手術を受ける前に知っておきたいこと
①骨が完全に元の形に戻るわけではない
出っ張った骨を削るので、元通りの形に戻れると期待されることが多いようですが、実際に手術を受けた方の感想では、「少し出っ張りがましになったけど、完全に元どおりではない」と言われています。
また、手術によって傷跡もできることを知っておいたほうが良いでしょう。
②リハビリ期間が必要
手術後は患部の安静の為にしばらく動けません。
手術したから言ってすぐに動けるわけではないのです。
落ちた筋力を取り戻すためのリハビリ期間が必要で、焦ってすぐに復帰すると再発の恐れもあり大変危険です。
膝をかばいながら練習に復帰すると、身体のバランスも崩れて、他の部分に痛みが出る場合もあります。
③手術によって癒着ができたり、痛みが出る場合がある
手術全般に言えることですが、身体はメスを入れるとその部分を治そうと炎症が起こります。
その時に組織同士がひっついて「癒着」と言われる状態になることがあります。
これが強いと、膝の曲げ伸ばしが制限されたり、運動の際に痛みが出る場合があります。
最小限の手術で、術後のリハビリも適切に行われればそこまで心配ありませんが、後遺症の恐れがあることも忘れないでください。
手術=完全に治るではないのです。
オスグッドで手術を受ける前にできること
手術は治すための一つの手段です。
最終的に、手術しかないというケースもあるかも知れません。
ですが、多くの場合本当の原因に対処することなく、なんとなく安静期間をとったり、サポーターで誤魔化したりという対症療法しか行われていません。
早い段階で、オスグッドの本当の原因である筋肉の機能低下や、姿勢のバランス、食生活の改善を行なっていれば、手術を受けなくても済むでしょう。
もし、あなたのお子さんや、あなた自身がオスグッドの痛みにお悩みなら、以前に紹介している、
こちらをぜひ試してみてください。
今までこう言った対策を行なっていないなら、きっと効果を実感してもらえることでしょう。
当院で行っているPNF(神経筋無痛療法)は、筋機能をその場で高めることが出来る治療法で、オスグッドの痛みにとても効果があり、一回の治療で痛みが無くなることも少なくありません。
オスグッドの痛みは治療で改善可能です。
一日でも早く治したい、子供のに思い切りまたスポーツをやらせてあげたいという方は、一度当院にご相談ください。
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