こんにちは。
大阪市城東区、鴫野駅前の城東整骨院、院長の山岡です。
スポーツをやっている子供が、「膝が痛い」と言うので病院に連れて行ったら、「これはオスグッドですね。成長痛ですから骨の成長が止まれば治ります。それまではあまり無理をしないことですね」と言われた。
無理しないって、安静って事?
スポーツしちゃいけないの?
成長が止まるまでって、あと何年?
オスグッドって初めて聞いた名前だけど、大丈夫なの?
そう疑問に思われて、不安を感じたことがあるかも知れません。
子供が大好きなスポーツを出来なくなる。
親としてはとても心が痛むでしょうし、なんとかしてあげたいと思うことでしょう。
私は柔道整復師の国家資格を取り、スポーツトレーナーとして社会人アメリカンフットボールの一部リーグでのトレーナー活動、高校ラグビーやサッカー、陸上のサポートを10年以上行っており、これまでたくさんのオスグッドの選手の治療に当たって来ました。
オスグッドは本当の原因が分かれば何をするべきかが分かります。
これからオスグッドの原因を知っていただき、きちんと対処することで、お子さんを一日でも早くオスグッドの痛みから解放してあげましょう。
こちらの記事では主にストレッチについて書いてありますので、どうか最後までお読みになってください。
そもそもオスグッドとは?
整形外科的にはオスグッドとは膝のお皿の下の骨、専門的に言うと脛骨粗面の部分が出っ張って来て痛みを伴う「成長痛」と言われます。専門的には骨端症という言葉が使われます
この部分です。
小・中学生で骨の成長が大きい時期に多発し、段々と膝下の部分に「骨の出っ張り」が出てきたり、膝を曲げると痛みが出たり、ひどい場合は歩くことさえも辛くなってしまう場合があります。
成長痛と言われて痛みが引くまで安静の指示
↓
安静にしていたら少し痛みが緩和
↓
再度練習開始すると痛みが出現
↓
痛みが引くまで練習を休む
この繰り返しで、いつまでも治らずオスグッドに悩まされている子供たちが後を絶ちません。
これは、安静によって患部の炎症が治まっても、本当の原因が放置されてしまったままだからです。
他にも、
・患部にアイシング
・テーピング
・湿布
・整形外科で痛み止め
・整骨院で電気治療
・インソール
・膝を曲げるストレッチ
・サポーター
などを長期間受けても改善しなかったという例はとても多くあります。
これは、本当の原因を治療せずに対症療法を行っているだけだからです。
ストレッチなどの中には、悪化させたり、治るのを遅くしてしまう例があるということを知っておくべきでしょう。
本当の原因を改善しない限り、根本的にオスグッドが改善することはありません。
オスグッドの本当の原因とは?
一般的には「成長痛」と言われ、身体の成長に伴う症状なので、成長が止まるまで待つしかないと言われることがあります。
しかし、それでは成長期の子供全員がオスグッドにならなければおかしいはずです。
同じ様な環境、同じスポーツをやっていてもオスグッドになる、ならないの差はどこから来るのでしょうか?
大きな原因として3つが挙げられます。
長くなりますが、オスグッドの原因をきちんと認識することが本当の治療につながります。
頑張って読み進めてみてください。
①筋肉の硬さ(機能低下)が原因
オスグッドで痛みが出るのは脛骨粗面と言って、太ももの筋肉「大腿四頭筋」が付着する部分です。
この大腿四頭筋のけん引力によって、まだ柔らかい脛骨粗面の軟骨がはがされて剥離骨折の様な状態になってしまいます。
そのはがれた部分がオスグットのボコッとした触ると痛む部分になります。
これがオスグッドの原因です。
ですから、筋肉の硬さがあると症状が出やすくなるので、大腿四頭筋を含めた周りの筋肉を柔らかくするストレッチを教えてもらったことがある方も多いでしょう。
筋肉の硬さを取ってあげることは必要ですが、単純なストレッチは余計にけん引力をかけてしまい、かえってオスグッドを悪化させてしまいます。
筋肉の硬さは、筋膜のつながり、筋肉の機能(神経伝達)が大きく関わります。
専門的になってしまうので細かくは書きませんが、これを無視して単純なストレッチばかり行っていては、いつまでもオスグッドは治りません。
ストレッチに関しては、この次に安全で効果があるものをお伝えしますので、そちらを実践してみてください。
②姿勢を含めた身体のバランスが原因
オスグッドに関係する太もも前の筋肉は、姿勢によって負担のかかり方が変わります。
真っ直ぐ立っている状態
骨盤が前傾している状態
骨盤が後傾している状態
オスグッドになる子供の多くは、骨盤が後傾して太もも前の筋肉がパンパンになっている場合が多いのです。
そうするとオスグッドの部分にけん引力が加わり、とても負担が強くなります。
普段の姿勢から背中が丸まらない様に気を付けることが大切で、足だけでなく全身のバランスを整えるエクササイズが必要になって来るでしょう。
ご飯を食べる姿勢、学校で授業を受ける姿勢など、背中が丸まってだらしない格好で行っていませんか?
普段の生活の姿勢は必ずスポーツの場面で出て来ます。
スポーツを上達するためにも、姿勢は大切になってきます。
頭のてっぺんから真上に引き上げられているようなイメージを持つと、自然に真っ直ぐな姿勢が取れるでしょう。
③食生活
意外に思われるかも知れませんが、成長期の食生活でオスグッドになりやすい、なりにくいが変わります。
成長期は、その名の通り身体とても発達する時期で、骨の成長、筋肉の成長が急速に進みます。
この時に欠かせないのが、タンパク質の一種である「コラーゲン」です。
コラーゲンはタンパク質から合成されるので、お肉や大豆、魚の量が不足してタンパク質不足になっているとオスグッドになりやすいという研究データもあります。
普段からよく食事でタンパク質を摂っているつもりでも、身体の成長に追い付いていない場合もありますので、市販のプロテインを活用するのも良いでしょう。
また、オスグッドになりやすい子供はお菓子やジュースを好む傾向にあります。
糖が多い食べ物ですね。白ご飯ばかり食べていても同じです。
それによって必要なタンパク質が取れていなかったり、「糖化」と言うタンパク質の劣化現象が起こってしまい、骨や筋肉の腱が弱くなり痛めやすくなってしまいます。
食生活から改善する事が出来れば、オスグッドになる子供はグンと減ります。
今なっている子供、これから成長期になる子供のためにきちんとした食生活を心がけてあげましょう。
オスグッドを改善するストレッチの方法
オスグッドは先程もお伝えした通り、太ももの前の筋肉の硬さ(機能低下)が大きな原因です。
ですから、ストレッチを行って筋肉を柔らかくすれば痛みが治まると思われがちですが、やり方がとても重要になって来ます。
まず、間違ったストレッチの方法をご覧ください。
こんなストレッチを教えられた、またはやったことがある方も多いんじゃないでしょうか?
こちらのストレッチを強く行うと、オスグッドの部分に強い負担がかかり、余計に悪化するというケースもあるので絶対に行わないで下さい。
①太もも前、すねの前のストレッチ
太もも前からすねの前は、筋膜と言う組織つながっていて、両方を同時に伸ばしてあげることでオスグッドの部分への負担を軽くすることができます。
まず足を前後に開き、膝をつきます。この時直接地面に膝を当てると痛みが出やすいので、タオルなどを挟むと良いでしょう。
姿勢を真っ直ぐしておくことがポイントです。
次に足先を同じ側の手で持ち、軽く膝を曲げます。この時太ももが伸びたり、オスグッドの部分が痛む程膝を曲げてはいけません。
膝の角度はそのままで、股関節を前に出していきます。
ポイントは軽く伸ばされる感じがあったらそこで止めることです。「痛気持ちいい」位まで伸ばしてしまうとかえって筋肉が後で固くなったり、オスグッドの部分にふたんがかかってしまうのでご注意ください。
30秒ほどを朝、昼、晩行います。
②骨盤と体幹のストレッチ
まず、四つん這いになります。この時も膝の下にタオルなどを入れて、痛みが出ない様に注意しましょう。
大きく息を吸い込み、吐きながらみぞおちの辺りを天井に向かって引っ張り上げていきます。
限界まで行ったら、そこで一度深呼吸。
もう一度大きく息を吸い込み、吐きながら今度は腰を逆に反り返していきます。
背骨は反り返り、骨盤は前傾の状態になります。
この姿勢で大きく深呼吸。
これを3回繰り返しましょう。
オスグッドを本当に改善させるために
いかがでしたか?
きちんとオスグッドの本当の原因を知り、正しくストレッチを行うことでオスグッドは改善に向かっていくでしょう。
ご紹介した食生活の改善、普段からの姿勢もとりいれれば、改善のスピードはより一層上がるはずです。
オスグッドにお悩みなら、きちんと取り組んでみて下さいね。
しかしながら、こちらはあくまでも「自分で出来る改善を早める方法」です。
先程から筋肉の硬さを「機能低下」と書いています。これは筋肉が硬くなるのは、単純に柔軟性が低いからではなく、筋肉の伸び縮みのスピードをコントロールする機能が大切だからです。
その筋肉本来の機能を回復させるには、専門家の治療を受けないと長期間かかります。
当院で行っているPNF(神経筋無痛療法)は、筋機能をその場で高めることが出来る治療法で、オスグッドの痛みにとても効果があり、一回の治療で痛みが無くなることも少なくありません。
オスグッドの痛みは治療で改善可能です。
一日でも早く治したい、子供のに思い切りまたスポーツをやらせてあげたいという方は、一度当院にご相談ください。
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2 thoughts on “オスグッドに有効なストレッチ方法”