こんにちは。
大阪市城東区、鴫野駅前の城東整骨院、院長の山岡です。
2月3日に木津川マラソンに出場するため、順調にランニングを重ねています。
走りはじめごろよりも身体が軽く、良い感じで走れるようになって来ました。
ガーミンの時計も手に入ったことですし、モチベーションも上がっています。
焦らず、無理せず本番までコツコツやっていきたいですね。
さて、今日はランナーさんの股関節と膝の痛みの症例です。
前回の記事が大きな反響があり、お問い合わせも多数いただきました。
長年のお悩みでも、細かく動作を見ていくと原因がわかることがとても多いのです。
前回の記事はこちら
ランナーに多いお尻の痛み、抜け感(動作解析からランニング障害を考える)
今回は、治療をせずに痛みを取り動作を改善するという実験も行いました。
予想通りの結果と、想像以上の結末がありこちらも驚かされました。
ランナーの方には参考になるかと思いますので、どうか最後までご覧になってください。
ランニング時の右股関節と右膝の痛み
30代 男性 会社員
実はこちらの男性、城東整骨院の内装を担当してくれた工務店の方です。
12月にマラソンを走るためにランニングを開始。
今回が初めてのフルマラソン挑戦だそうです。
高校時代はサッカーをしており、その時から右の股関節の違和感と詰まりがあったが、通常のランニングではそこまで問題が出ないので放置。
一度、長距離の練習(20km程度)を行なった後から、右股関節と右膝後面に痛みが出現。
以降、走る際に同じ痛みが出るようになってしまい、思うように走れなくなってしまいました。
「このままだとマラソンが走れなくなってしまう」
とお悩みの時に、壁の補修で城東整骨院に来られ、お話を聞いていると足に痛みが出ているということだったのでチェックすることになりました。
安定性検査とランニング動作解析
まずは姿勢を見てみます。
正面。
側面。
次に片足立ち検査。
痛みの無い左足。
真っ直ぐ立てます。
次に股関節と膝に痛みが出ている右足。
左足に比べ、身体が傾いているのが分かるでしょうか?
立っただけで本人もグラグラしているのが自覚できたようです。
続いて片足スクワット。
まずは左足。
真っ直ぐ落とせますし、安定しています。
次に右足。
身体は真っ直ぐですが、膝が内側に入ってしまっており、安定せずにグラグラしています。
いわゆるニーイントゥアウト(膝が内に入って、つま先が外に向く怪我しやすいポジション)です。
片足立ち、片足スクワットで安定して7秒以上静止できない場合、故障のサインです。
身体のどこかに問題があるか、練習内容を見直すべきでしょう。
足裏検査はこんな感じでした。
続いてランニング動作を解析していきます。
時速6kmでトレッドミルで走ってもらいます。
色々見えてきますが、特に気になるポイントが2つ見つかりました。
まずは蹴り出しに注目してみます。
静止した写真ではわかりにくいかもしれませんが、左足の蹴り足は真っ直ぐ出ていて、右足の蹴り足が真っ直ぐ出た後、外側を回って前に戻っていきます。
それから腕の振り方が左右でずいぶん違います。
右は真っ直ぐ引けていますが、左は真っ直ぐ引けずに外に流れてしまっています。
右足と左腕に同時に異常がみられるということは、身体の中でねじれが起こっている可能性が高いと考えられます。
ねじれが起こって左右対称に動けていないということは、その分筋力と体力をロスしているということです。
筋肉や関節に負担がかかりますし、タイムも落ちてしまいます。
横からも見てみましょう。
本来、ランニングの際は骨盤が前に倒れている方が進みやすいです。(骨盤前傾)
ですが、この方は骨盤が前に倒れず、身体が真っ直ぐになっており進みにくそうです。
その影響で顎も上がっています。
よく、「顎が上がってしまう」というランナーさんのお悩みがありますが、この姿勢で顎だけ下げると気道が狭くなってしまい、呼吸が苦しくなってしまいます。
ランニングで痛みが出る場合や、思うようにタイムが伸びない場合、こうした何らかの異常が動きに現れていることが非常に多いです。
身体全体を治療すれば痛みも異常も取れていきますが、今回はあえて最初は治療せずに、ご自身で治してもらうことにしました。
2種類のセルフケアを指導
安定性検査と動作解析から、2種類のセルフケアを指導しました。
当院オリジナルの2本のラインを使った下半身のエクササイズと、
肩甲骨周りを整えるエクササイズ。
希望があれば両方の詳しい方法も順次ご紹介させてもらいますね。
さて、2種類のエクササイズで動きはどう変わったでしょうか?
まずは片足スクワット。
まだ右足の方が傾きますが、膝が内に入る動きが減ってグラつきがなくなりました。
続いてランニング。
セルフケア前。
セルフケア後。
左肘が少し真っ直ぐ引けるようになったのと、右足の動きが改善されました。
横からも見ます。
骨盤が前に倒れ、顎の下がりも改善されました。
ひとまずこれだけで終了し、経過を見ていくことにしました。
股関節の痛みがなくなり、あとはもも裏だけに
1週間後に来てもらい、もう一度チェックをしていきました。
お話を聞くと、股関節の詰まりと痛みはほぼ解消されたそうです。
姿勢と安定性検査。
片足立ち、スクワット共に最初と比べると安定性や変な動きが無くなっています。
ランニングも見せてもらいます。
前回あった右足のねじれがなくなり、横から見た姿勢もキレイになって来ました。
状態を聞くと、
「股関節の痛みは消えて、膝の元あった痛みが移動して太もも裏の筋肉のところが痛くなります。」
とのことでした。
特に、足を前に振り出して着地させる直前に痛みが出ます。
その部分の動きをもう一度よく見てみます。
左足は前に出した足が自然に下に着地しますが、右足は一度「キュッ」と前に出した足を止めてから下に下りる動きが入っています。
このタイミング。(わかりにくかったすいません)
こんな感じです。
この動きで太ももの裏に負担がかかって、痛みが出てしまったようです。
引き伸ばされながらブレーキをかける動きは、筋肉に負担が強いです。
この時に、痛みが出ている筋肉を不用意にストレッチしてしまうと、かえって痛みが強く出てしまうことが多いです。
伸ばされて痛みが出ているのに、さらに伸ばされるわけですから筋肉としてはたまらないです。
おそらく、骨盤と体幹がねじれてスムーズに動いていないことが原因と思われました。
そこで1つだけエクササイズを追加。
こちらのポールを使います。
骨盤と体幹のエクササイズをしてもらうと、大きな左右差があることがわかりました。
その左右の違いが小さくなるまで約3分間行ってもらいました。
エクササイズ後の動き。
右足が自然に下に着地するようになりました。
この時点で膝から太もも裏の痛みが解消。
痛みがなく自然に走れるようになりました。
痛みが無くなったので、タイムを狙いに行こうと思います
さらに1週間後に来てもらいました。
状態は良好で快調に走り込めているようです。
「痛みがある時は、完走できるか本当に不安だったんですが、痛みが無くなって本当に良かったです。痛くないのって最高ですね!」
と喜んでくれていました。
スクワットもキレイに落ちるようになりました。
治療をしなくても痛みが取れて、快調に走れるようになって良かったです。
週末にフルマラソンが控えていたので、最後は神経筋無痛療法で治療とコンディショニング。
筋肉の代謝を高め、身体のバランスを隅々まで整えておきました。
治療後の動き。
当たり前ですが、やっぱり治療が1番ですね。
良い感じに仕上がりました。
「こないだ走ったら、すごく良いペースで走れたんで、4時間が切れる様に目指して走って来ます!」
と力強く言ってくれました。
最初の痛みを抱えていた頃とは、気持ちも変わりとても前向きになってもらえて嬉しかったです。
さすがに、痛みであまり練習できていなかった期間もあるし、初めてのマラソンでサブ4は無理だろうと思いましたが、
「頑張ってください!」
と笑顔で送り出しました。
初フルマラソンで3時間57分のタイムで見事完走!
マラソン当日の夕方、もうそろそろ走り終わったかな〜と思っていると、メッセージが入りました。
「フルマラソン無事に完走できました‼︎
やりましたー。
タイムも3時間57分で目標達成‼︎
紛れもなく山岡先生のおかげです。ありがとうございます!
疲労困憊で変な歩き方になっていますが、達成感で心が満たされています!」
4時間切ってました!
無事に完走するだけでなく、目標タイムを達成してしまうとは、こちらも予想を覆されました。
完走後に送ってくれた写真が、フルマラソン走り切った感じが出ていて素敵です^ ^
最初は痛みで完走できるかも不安そうだったことを思うと、本当に良くなって結果にも繋がって嬉しいです。
できなかったこと、怪我や痛みであきらめていたことが治療を通してできる様になってもらえる。
そんな瞬間が、この仕事をさせてもらって1番嬉しい瞬間です。
しばらくは走りたいとは思わないでしょうが、きっとこれからマラソンの魅力に取り憑かれて走りたくなってしまうんでしょうね。
その時は痛めない様に自分でセルフケア頑張ってください!
初マラソンでこれだけの結果を出されると、2月に私がチャレンジするときもプレッシャーですね。笑
無理ない範囲で、しっかり走り込んでおきます!
マラソンランナーの方で、長引く不調や痛み、タイムが伸びないなどの原因は、こうした動きの中にあるかも知れません。
改善したいとご希望の方は、一度ご相談ください。
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