柔術の首の怪我は予防できます!
こんにちは。
大阪市城東区、鴫野駅前の城東整骨院、院長の山岡です。
ブラジリアン柔術ってご存知ですか?
柔道の様に道着を着て行う格闘技です。
打撃(パンチとかキック)が無く、関節技や絞め技が中心なので、他の格闘技より怪我のリスクが少なく、女性にも人気が高くなってきています。
見ている分には寝技に特化した柔道の様に見えます。(ただ柔道の動きをしているとすぐにやられるみたいですけど)
元々はブラジルに移民した日本の柔道家、前田光世が自分の戦いの経験を現地のブラジル人に伝えたのが始まりです。
実は、城東整骨院には柔術をされている患者さんが多いんですよね。
時々、柔術大会の救護にも行っています。
ここ最近は行けていませんが、以前はトライフォース大阪という柔術道場に出入りして、治療もしていました。
普段はラグビーやサッカー、野球などフィールドスポーツを診ているんですけど、柔術家を初めとする格闘技をされている方の身体って全然違うんですよ。
同じ腰痛でも、膝の痛みでも原因が違ってきます。現場でそう言ったことを経験させてもらえてとても勉強になりました。
そんな柔術の怪我で多いのが、「首」の痛みです。
先日も道場主の先生から、
「生徒で最近首の痛みを訴える方が多いんです。何か良いトレーニングはありませんか?」
と相談されました。
仲間の柔術をされている治療家さんに話を聞いても、
✅車で後ろを向くときに首が痛くて体ごと向かないと振り返れない
✅激しいスパーリングの後、次の日に首が痛くて顔を洗えない
✅三角締めを耐えたら、いつも首が痛くなる
という柔術あるあるを教えていただきました。(柔術は女性も楽しめる安全なスポーツです。ガチでやってる方のケースですので柔術に怖いイメージを持たないでくださいね。)
柔術の場合、ガッチリと組みついて絞め技も狙うので、首にかかる負担はかなり大きくなります。
それに加えて、柔術家に特徴的な身体の使い方によって、首が正常に動かなくなった結果、余計に首に負担をかけて痛める原因となってしまいます。
首を鍛えることも大切ですが、まずは首が正常に動くことが怪我予防には大切になってくるでしょう。
これまで柔術家の治療を手がけてきて感じている事、柔術道場に出入りしてたくさんの柔術家の身体を診てきた視点から、首の怪我を防ぐためのストレッチをご紹介いたします。
肩甲骨が動かないと、首はこんなに動かない
「首の怪我を防ぐんなら、首をストレッチしたり、鍛えたらいいんじゃないの?」
そう思われる方も多いでしょう。
実際、柔術の準備体操でも首のストレッチや補強運動は行われています。
それなのに何故、首の故障が減らないのか?
その原因がこちらの写真になります。
こちらは柔術家の姿勢に代表的なものです。
・肩が前に巻き込んでる
・肩が下に下がっている
・首が前に倒れている
・上腕二頭筋(力こぶの筋肉が硬くなって、肘が曲がっている)
この姿勢、実はかなり肩甲骨の動きが悪くなってしまいます。
首を正常に動かそうと思っても、肩甲骨の動きが悪くなると、首だけの動きになって可動域が狭くなってしまうのです。
肩甲骨の動きが悪いまま首を後ろに倒そうとしても、、、
首の後ろが詰まってうまく動いてくれません。
この状態では、首だけに強いストレスが加わります。
今度は肩甲骨が本来の動きをしてスムーズに動いていると、、、
動き方が全然違うのがわかりますでしょうか?
首、背中、腰までが連動するので、首に負担がかかりにくくなります。
肩甲骨の動きが悪いと、この狭い首の可動域の中で、柔術の負荷に耐えないといけません。
それではどんなに首が強靭でもやがて痛めてしまう可能性が高くなってしまいます。
ですから、首を鍛えたり、ストレッチするのと一緒に肩甲骨の動きも改善していくことが必要なのです。
柔術家のための首のストレッチ方法
こちらでは首から肩甲骨の動きを良くするストレッチの方法をご紹介していきます。
下に実際の動画も貼り付けておきますので、そちらと一緒にご参考にしてみてください。
①首を前後に倒す
ゆっくりと首を前後に倒します。
強い力で行わず、深呼吸をしながら軽く行いましょう。
各30秒
②首を左右に倒す
ゆっくりと首を左右に倒していきます。
こちらも深呼吸をしながらゆっくり軽く行いましょう。
③大胸筋のストレッチ
胸の部分の青くなっているところが大胸筋です。
こちらが硬くなるとで肩甲骨が前に引かれ、柔術家に特有の前かがみ姿勢になってしまいます。
ベンチプレス、腕立て伏せでも使う筋肉ですが、意外とストレッチされる機会の少ない筋肉です。
肩こり、首の痛みに大きな関連があるので柔術家でなくてもケアは必須でしょう。
肩、肘を90度にして壁につけます。
その位置から壁側の胸を前に出すようにして大胸筋をストレッチしていきます。
左右各30秒
④広背筋のストレッチ
続いて広背筋のストレッチ。
広背筋は、柔術で最も大切な「引きつける」動作をしてくれる筋肉で、強い選手は広背筋の発達が素晴らしいです。
このように柔術では「引きつける」動きが最も多く、大切になってきます。
(写真はトライフォース大阪の川本先生のものをお借りしました)
大切な分酷使されやすく、肩が下に引かれて肩甲骨の動きがロックされてしまいがちです。
こちらもきっちりと練習前後にストレッチしておきましょう。
四股の体勢で身体を固定し、その状態で逆の肘を掴んで横に倒していきます。
この姿勢で行うことで、骨盤がロックされ、効果的に広背筋を動かすことが出来るのです。
最初はこの姿勢が辛いかもしれませんが、股関節の柔軟性と強化も兼ねて実践してみてください。
左右各30秒
⑤肩甲骨を帯で大きく動かす
最後に肩甲骨全体を大きく動かしていきます。
こちらではタオルを使っていますが、道着の帯を使うといつでも出来ると思います。
両手で帯を持つことで、肩甲骨を大きく立体的に動かすことが出来ます。
練習前後、スパーリングの合間に行いましょう。
前後、左右10回ずつ
写真だけでは伝わりにくい部分があるので、動画を撮影しました。
こちらをご参考にしてください。
安全に柔術を楽しみ、高いパフォーマンスを目指すために
昔から一流選手の条件として「怪我をしない」とよく言われます。
あのイチロー選手が、怪我での欠場がほとんどないことでも知られています。
柔術では首の怪我は宿命の様に思われているところがありますが、きちんと準備して紹介した様なストレッチを行えば、かなりの怪我を防ぐことが出来ます。
また、紹介したように肩甲骨が硬くなれば、腕から背中の動きが悪くなり、柔術でのスイープや技のバリエーションに支障が出てしまいます。
怪我予防=パフォーマンスアップなのです。
私は柔術家ではありませんが、道場に足を運び試合観戦をする中で、柔術の面白さや老若男女問わない競技性に魅力を感じている一人です。
こちらのストレッチをしっかり行って、首のトラブルの心配なく思いっきり柔術を楽しんでもらえたら幸いです!
また、わからないことや「こんな時はどうしたらいい?」というご質問がありましたら、ぜひこちらでコメントくださいませ。
※柔術関係者、指導者のみなさんへ
こちらの記事内容、動画、写真は自由に転載していただいて結構です。特に私に断りを入れる必要はありません。
道場生、選手にお伝えするときはご自由に使ってください。
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